散歩とスケッチ

毎朝近くの逗子の海岸までラジオ体操を含め一時間ほど散歩をしている。ラジオ体操は6時半なのでそれに合わせて家を出ることになる。冬の6時は真っ暗で寒い。海岸に着くころようやく空が白んでくる。健康のために始めた散歩だが人見しりの私としてはつらいこともあった。散歩で嫌なことは人とあいさつを交わすことだ。外国にいるときのように異邦人の気楽さで散歩ができないものか?何度挨拶をしても知らん顔をする人がいると白けたり嫌な気分になる。それにもいつの間にか慣れ、何人かの顔見知りができてくると挨拶の重圧から少し解放される。
初めは散歩だけだったが一年ほど経ってからラジオ体操を始めた。何十年も前からだろう、海岸では2,30人の人たちが毎日体操をしている。ラジオ体操というと小学校の夏休みの日課のようで、はたで見ているととても陳腐な風景にみえる。今、その陳腐な中に自分がいると思うと不思議な気持ちだ。やっぱり健康第一か。
海岸の風景は千変万化だ。その主役は何といっても朝日だが雨や風の日も見所満載だ。遠くに伊豆半島や富士が見え、中ほどに江の島、左に葉山マリーナ右に浪子不動や披露山が見える。空の色や雲の動きそして波の音など毎日の風景の変化にただただ見とれてしまう。散歩に携帯する小さなスケッチブックと三色ボールペン、これはと思ったものをメモのように描きとめている。人や犬、波、雲、カモメ、漁船、富士など何度描いても飽きない。
私にとって朝の散歩はまさに健康と実益の一石二鳥となっているようだ。

